2009年11月12日木曜日

MRIの騒音とSteve Reich

調子の悪いところがあって、今日は頭部MRIを撮ってきました。検査は30分ほど続いたのですが、予想より短く感じました。その原因は音。

MRIの検査を受けたことがある人ならおわかりだと思うのですが、MRIは検査中ずっと、工事現場のドリルのような騒音が続きます。単調な断続音なのですが、検査の進行にともなって音の高さが変化してゆくので、聞きながらなんとなくMusic for 18 musiciansに似てるなと感じてしまったのです。この曲はSteve Reichの代表作ですが、彼の作品の中でも一番好きな曲です。


MRIは検査に時間がかかるし大きな音がするしで、痛くはないけれど楽な検査ではありません。でも、あの断続音にマッチするようなメロディーも一緒に流せば、騒音が転じてバックグラウンドミュージックになるような気がします。MRIの製造会社もいくつかあって性能や価格で競争していますが、新たなセールスポイントになるんじゃないでしょうか。

15年ほど前にもMRIを撮ったことがあります。その時は勤務先の病院にMRIの機械が設置され、試運転の実験台になったのでした。大きな騒音には気付いていましたが、今回のようなミニマルミュージックを連想することはありませんでした。というのも、検査中に眠ってしまったからです。ふつうだと、あれだけの騒音の中で眠るなんてことは考えにくいことですが、当時は診療所ではなく、病院の勤務医でしたから、慢性の睡眠不足と疲労があってつい眠ってしまったのだと思います。

いま、診療報酬の改定の検討がなされていますが、病院の勤務医の労働条件は当時よりずっと厳しくなっています。その厳しさがいくらかでも緩和されるよう、また厳しさに見合った待遇がなされるような診療報酬が実現することを望みます。

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