2009年10月27日火曜日

インフルエンザワクチン

先週の月曜日にテレビのニュースなどで、医療従事者に対する新型インフルエンザのワクチンの接種が始まったと報道されていました。一週間遅れの昨日、私が仕事をしている診療所にも、はじめて6人分(1mlバイアル3本)が入荷しました。ぼつぼつ、新型と思われるA型インフルエンザの患者さんが受診してきているので、今日、私を含めた医療従事者6人にこのワクチンを接種しました。針を刺される痛みよりもワクチンの薬液の痛みの方が強い点は、毎年のワクチンと同様です。


黒枠つきのパンデミックワクチンという表示が、ふつうのインフルエンザワクチンと違う点でしょうか。また、新型インフルエンザはメキシコで感染が広がり始めましたが、このワクチンの株はアメリカで採集されたもののようで、A/カリフォルニア/7/2009株と表示されています。今冬以降しばらくはこのタイプのインフルエンザが流行株になると思われます。昨冬まで流行していたタイプがソ連型・香港型と呼ばれていたように、新型インフルエンザはきっとメキシコ型と呼ばれるとばかり思っていたのですが、もしかするとカリフォルニア型と呼ばれることになるのでしょうか。

11月以降は、医療従事者以外の優先接種対象者に対するワクチン接種が始まります。本当ならもう予約を取り始めたいところですが、いまのところ日付を含めた予約の受付は待ってもらっています。このワクチンは、0.5mlシリンジ(成人1人用)、1.0mlバイアル(成人2人用)、10mlバイアル(成人20人用)で提供されるそうです。うちとしては、希望した全量が0.5mlシリンジか1.0mlバイアルで提供されのならば問題はないのですが、もし10mlバイアルが何本か含まれることになったら大問題。一日にまとめて20人分の予約をいれないと、貴重なワクチンの薬液が無駄になってしまいますが、一日に20人のワクチン接種をするとなると、一般の外来診療との兼ね合いもあって、日をしぼる必要があるので難しいところ。薬品の卸の人に尋ねても、どの包装がどのくらいの数量、いつごろに届けてもらえるのかはっきりしないそうなので、悩んでいるところです。

もう一つ悩ましいのは、季節型インフルエンザのワクチンです。こちらも入手難で、昨年に比較して七割程度しか納品されませんでした。10月15日から市から補助のある高齢者の予防接種が始まっているので、希望者が順調に来院し接種しています。ただ、今シーズンに流行するA型インフルエンザはほとんど全例が新型になるのではと予想されるので、季節型インフルエンザワクチンのうちA香港型とAソ連型の抗原は接種する意味がないのでは感じてしまうのです。もちろん、B型の抗原も入っていますから、その意味では接種する価値はあるのでしょうが。

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