2008年11月20日木曜日

元厚生事務次官の殺人事件

元厚生事務次官の殺人事件ですが、 犯行声明が公開されているわけではないのに新聞やテレビでは年金がらみのテロ事件として報道されています。私も報道で年金テロという憶測を聞かされる前から、同様の事件が二つ続いたことを知った瞬間に、年金がらみのテロ事件だろうなと思ってしまいました。これって、私以外の人の多くもそう感じたんじゃないでしょうか。

もしかすると二件が全く別々の事件、例えば強盗殺人・強盗殺人未遂という可能性もまだ残されています。また、被害者に目撃された犯人が30歳代くらいだったとのことですから、二件が関連しているとしても、年金とは全く別のことで犯行に及んだのかも知れません。そういう可能性が絶無という訳ではないのに、マスコミをはじめ私を含めた多くの人が年金がらみの事件かもしれないと感じて納得してしまうのは、年金問題がそれだけひどくグダグダで、テロの原因になっても不思議がないなとみんなが思っているからでしょう。

で、この納得しちゃう気持ちというのは、もう少し進むと犯行を是認する感情につながり、もっともっと進むとテロに喝采を送るようにもなっていくのだと思います。もちろん、今回の事件では犯人が逮捕されても広範な共感がわきおこるようなことはないでしょう。しかし、犯行を是認する気持ちが多くの人に共有されるようになると、昭和前期のテロ事件のように犯人に対して多くの人から減刑嘆願が出されたりなどするようになってしまうでしょう。

インタビューに対して、テロは良くないと麻生首相も民主党の小沢党首も答えていました。テロが良くないというのは当たり前なことで、私も含めて多くの人が考えていることです。テロはいけないことだと言うこと以上に政治家に求められているのは、現在のようにテロが起きても不思議ではないだろうというみんなの気分を変えて行くこと、それが無理でも少なくともテロを是認させるような気持ちやテロを擁護するような気持ちに変化してゆかないようにすることだと思います。でも、期待できるというと、疑問かも。

大恐慌と不安定な政治のもとで政治的なテロが起きる。遠い昔には日本でもあったできごとですが、まさか現実にこの目でみることができるようになるとは思ってもいませんでした。もう少し長生きして、この先どうなっていくのかも見てみたいものです。

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