2008年8月1日金曜日

東京大学「80年代地下文化論」講義


宮沢章夫著 白夜書房
2008年8月発行 本体1300円

地下文化論という言葉がタイトルの中にありますが、地下文化っていう感じではないですね、語られていることは。2005年度に駒場で行われた講義ですが、教養課程ではなくて教養学部の学生向けだったそうなので、講義の対象は1985年前半に生まれた人が主だったのでしょう。その人たちにとっては自分の知らない時代についての語りを聞く体験だったでしょう。しかし、私は彼らよりも宮沢章夫さんの方にずっと年齢が近いので、語られなくとも自分で実際に体験した時代なのです、80年代は。

でも、この本に採りあげられている、「かっこいい」ピテカントロプスは別世界の出来事。また、「おたく」にしても自分とは縁がないというか、少なくとも宮崎勤君の事件の際に衝撃を受けるようなことはありませんでした。きっと、あのバブルの時代、80年代に東京にいなかったからなのかな。

こういう本って、内容について感想以上のことを書く能力・ものごとを分析してみせる能力が自分にないことを再確認させられてしまう。でも、面白く読めました。

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