2008年7月13日日曜日

献血の採血

今日は立川の献血ルームに行きました。アルバイトとかではなくて、献血しに行ったのです。医学生だった頃は赤十字に献血の登録をしてあって、胸部外科で心臓の大きな手術があるときなど、血小板の成分採血になんども呼び出されて協力しました。でも、ここ数年はご無沙汰だったので、なんとなく行く気になったのです。

日曜日のせいかかなり混んでいました。暇はあったので待つのは別に苦ではなく、置いてあった横山光輝の三国志のマンガを見ながら順番を待ちました。順番が来て、まず献血可能かどうかチェックのための採血をしました。その際、担当のNrsの人に、これまで献血途中で採血できなくなったことがないか尋ねられました。

献血でも健診の検査の採血でも、一般的には肘にある静脈を使います。肘の屈側(内側)には、正中(まん中)・橈側(親指側)・尺側(小指側)とだいたい3本の目立つ静脈がありますが、ふつうは正中の静脈が一番太くて、しかも肘の凹んでいる場所に位置していて採血しやすいのでこれを使うことが多いと思います。しかし私の場合、右も左も正中の静脈が細いのです。そこで橈側皮静脈から採血するのですが、ここは凸になっているし、私の場合皮下脂肪も少なくてすぐ下が筋肉なので固定しにくいし、血液が出てくるスピードもかなり遅いのです。

Nrsの人は私の血管の状態に気付いて、採血途中で中断したことがないかどうか尋ねてくれたのでしょう。過去に数十回献血で採血されたことがあります。たしかに、時間は普通の人よりかなり長くかかるのですが、中断したことはない旨説明しました。チェックでも献血可能な状態だということで、またしばらく三国志を読みながら待ちました。

室内は冷房が効いているので、本採血に呼ばれる頃には手足が冷え冷えとなっていました。採血用のリクライニングチェアに横になり、右の橈側皮静脈に針が刺されます。16G(ゲージ)か17Gの、輸血や献血用以外には使わない太い針ですが、すっと痛みもほとんどなく刺入してくれました。献血担当Nrsの太い針の刺し方が上手な点には、いつも感心します。

で、上手に採血針が血管に入ったのはいいのですが、ちっとも血液が採血セットのチューブの中に流れ出てきません。針先が血管壁にあたって出てこないこともあるので針の角度を変えたり、駆血帯を巻き直したり、右手に握るものを持たされて握ったり開いたりなどしましたが、寒さで皮静脈は虚脱していて、チューブに10cmほど流出したところでストップ。

そして、右手を握ったり開いたりしているうちに、右手に痛みを感じるようになってきました。右手と右前腕を見ると、血の気が引いています。左手で右の橈骨動脈の拍動をさぐってみましたが、触れません。かなりきつく駆血帯をしばったので、動脈の血流も遮断されてしまったようです。動脈が流れていなければ、皮静脈に血液が流れてくるはずはなく、したがって採血できないのも当たり前です。右手に軽い痛み感じる旨、Nrsに伝えたところ、今日は困難と言うことで献血は中止とされました。残念。

患者さんの採血をする際に、採血が難しいと駆血帯を扱う手にも力が入って、だんだんときつく巻いてしまうことは自分にもあることです。今日の教訓ですが、動脈圧以上にきつく巻きすぎていないか注意することもかなり必要なんですね。特に採血が難しいときって、アツくなってしまっていることが多いので。

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